nanoLC-MS/MS
タンパク質同定サービス
SDS-PAGE等により得られたゲル断片からタンパク質を同定するサービスです。
高精度のタンパク質同定をお求めやすい価格でご提供いたします。
概要
nanoLCを使った MS/MSではイオン化の理論段数がTOF-MSの数十から数百倍になるため微量のペプチドまで同定できます。
SDS-PAGEのゲル断片をお送りいただきますと、ゲル内消化後、nanoLC-MS/MS装置を用いて解析を行い、MascotSearch による
タンパク質同定を行います。最高精度のタンパク質同定をご利用ください。
◆解析までの流れ◆
@サンプル切り出し前の電気泳動写真をお送り下さい。
解析可否をご連絡させていただきます。
Aサンプルを4℃にてお送りいただきますと約2週間で解析いたします。
Bゲル断片を脱色、システイン残基の還元処理及びアルキル化などを行ったうえで、トリプシンによりゲル内消化を行います。消化されたペプチド断片を抽出し、脱塩処理の後、nanoLC-MS/MSで質量を測定いたします。
CMascot search ( MS/MS Ion Search ) によりタンパク質を同定します。
D解析結果をメールにて送付いたします。
ご提供いただくもの
■解析サンプル
SDS-PAGE等により得られたゲル断片
( 生物種は問いません )
■解析サンプルに関する情報
・ ゲル断片個数
・ サンプル由来( 生物種 )
・ 目的タンパク質分子量
・ 染色方法および脱色有無
( MS用の染色キットをご使用ください。また、染色後脱色の有無もご記載ください )
・ 架橋剤使用の有無
( 使用の場合は具体的なメーカーとその種類をお教えください )
・ 界面活性剤の使用の有無
( 使用の場合は種類とその終濃度をお教えください )
・ 膜由来( 細胞膜、核膜等 )であるか否か
・ SDS-PAGE染色画像
( 切り出す前の画像ファイルに解析対象のバンドをご図示ください )
解析結果報告
解析結果はNCBlnrのデータベースにてMascot Search Results(pdf)、同定されたタンパク質に関する付加情報資料 ( UniProtKB などによる ) 資料 ( pdf )、
およびそれらのデータをExcel形式のレポートにまとめたものをメールでご報告いたします。
必要な場合はQSTAR XL analistQS の生ファイル ( AB Sciex社 Analyst QS用wiff形式ファイル ) をCDの形でお届けいたします。
生物種に関するご希望があれば、お申し付け下さい。お手持ちのデータベースによるMascot検索をご希望の場合は、データをご提供下さい。
価格/納期
60,000円/ 検体 まとめてご依頼いただくとさらにお得!
納期:サンプル受け取り後約2週間 |
※解析が混み合っている場合や、サンプルの解析難易度等によって、標準日程から多少遅れることがあります。予めご了承ください。
お急ぎの場合は、可能な限り対応いたしますので、予めご連絡ください。
お申込み方法
専用申込書 ( Excelファイル ) をダウンロードの上、サンプル切り出し前の電気泳動写真を添えお送り下さい。
※ゲルを送付する前に必ず写真をお送り下さい。
弊社より折り返し解析可否をご連絡させていただきますので、その後サンプルをお送りいただきますようお願い致します。
◆お申込み先◆
富士フイルム和光純薬株式会社 ライフサイエンス試薬開発部
jutaku@fujifilm.com
サンプル送付に関して
- サンプルの必要量
●100 fmol 以上
銀染色の場合は、定量性がない為、正確な量を判断するのは困難ですが、SDS-PAGEの際、コントロールとしてBSA (100 fmol)を同じゲルにロードしていただくか、あるいは分子量マーカーのロード量を適宜調節していただき、それをおよその目安としてサンプル量を見積もってください。 - ケラチン( コンタミ )の排除
サンプルにケラチンの混入を極力避けることが必要です。nanoLC-MS/MSの感度は大変高く、ケラチンの混入量によって、解析結果が大きく左右されます。通常の実験では問題のないことが、 MSの測定では大きな問題になることがあります。
- SDS-PAGE用ゲル
基本的には、市販のゲル使用をお勧めします。自製されるときは、ストックのアクリルアミド溶液を使わずに、すべて新たに調製してください。 - SDS-PAGE用サンプルバッファー
必ず新しく調製したサンプルバッファーをご使用ください。
- SDS-PAGE用ゲル
- 染色 ( 脱色は不要です )
CBB染色の場合は、新たに調製した染色液で染色してください。
銀染色の場合、染色感度を上げるために使われる架橋剤( グルタルアルデヒドなど )を使用しないで染色する必要があります。 MS用の銀染色キットが市販されていますので、そのキットを使うことをお勧めします。 脱色は当方で行いますので、切り出したバンドを脱色せずそのままお送りください。 - 架橋剤の使用
架橋剤の使用は、解析のためのサンプル消化に重大な影響があり、解析が困難となることがあります。 送付いただくサンプルの前処理段階においても、架橋剤はご使用にならないでください。 すでに架橋剤を使用された場合は、サンプル送付前に、どのような架橋剤をどの段階で使用されたか、必ずご連絡いただけますよう お願いいたします。 - ゲル断片の取り扱い
ゲルを切出す際には、できる限り 余分なゲルが含まれないように スライスしてください。
ゲル量が多すぎると、酵素消化の効率が下がり、ゲルに由来する夾雑成分などの影響により解析が難しくなります。
バンドが薄い場合、同じバンドを複数集めることでサンプル量は確保できますが、上記の理由から解析が難しくなります。
可能な限りアプライ量を増やす、あるいは濃縮により、ゲル断片当たりのサンプル量を増やしていただくことで いい結果が生まれます。
切り出したゲルは、断片ごとに 0.5mL 又は1.5mLチューブに入れてください。( マイクロプレートをご使用の際も、必ずチューブに移してお送りくださいますようお願いします。)
サンプル送付先
クール便、着払いにて以下宛先までお送り下さい。※平日着荷
お送り頂く際、メールで 宅配業者 及び 荷物番号 をお知らせください。
株式会社日本プロテオミクス
〒980-8579
宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40
TEL:022-342-1742 FAX:022-342-1743
※「株式会社日本プロテオミクス」は東北大学連携インキュベータに所在し、プロテオーム解析を専業とする株式会社日本バイオサービスの関係会社です。
注意事項
解析サンプルについて
1) サンプル必要量は100fmol以上のゲル断片となります。SDS-PAGEの際、コントロールとしてBSA(100fmol)を、同じゲルの別レーンにロードしていただくようお願い致します。BSAをお使いにならない場合は、分子量マーカーで100fmol以上のバンドとなるよう調製して下さい。
2)サンプルの脱色は不要です。脱色は当方で行いますので、切り出したバンドを脱色せずそのままお送り下さい。
3)銀染色キットはMS解析用グレード(例: 富士フイルム和光純薬 銀染色MSキット、299-58901)をご使用下さい。
解析結果について
1)サンプル由来のペプチドが得られても、何らかの修飾(糖鎖付加など)を受けていたり、データベースへの登録が不十分であれば、タンパク質同定が困難となり、同定に至らない場合があります。そのデータ(Mascot Search Results)の提供をもって、解析終了とさせていただきます。
2)解析結果から、目的のタンパク質量が足りない、もしくはそれ以外の理由で解析不可であったと判断した場合、下記より選択いただきます。
A)サンプルを再調製し、再解析を行なう。
この場合、解析の結果に関わらず、正規料金を請求させていただきます。
B)再解析を断念する
15,000円/1サンプル(税別)をご請求させていただきます。
よくあるご質問
Q1. 指定の染色方法はありますか?
A1. 特にございませんが、MS用の染色キットを推奨いたします。銀染色、CBB染色、ルビー オリオール等の蛍光などでも解析実績がございます。
注意:CBB染色の場合、新たに調製した染色液で染色をしてください。MS用の銀染色でない場合は、架橋剤(グルタルアルデヒドなど)を使用しないで下さい。
■MS用染色キット
コードNo. | 品 名 |
規 格 |
容 量 |
希望納入価格(円) |
---|---|---|---|---|
299-58901 |
電気泳動用 |
20回用 |
19,000 |
Q2. ゲルの脱色は必要ですか?
A2. 必要ございません。切り出した断片は脱色せず、そのままお送りください。
Q3. ゲルはどのように送ればいいですか?
A3. 切り出したゲル断片を断片ごとに0.5mL又は1.5mLチューブに入れ、(マイクロプレートをご使用の際も、必ずチューブに移してください)クール便、着払いでお送り下さい。
Q4. ゲル断片を切り出す際に気をつけることは何ですか?
A4. できる限り余分なゲルが含まれないようスライスしてください。ゲル量が多すぎると、酵素消化の効率の低下や、ゲルに由来する夾雑成分などの影響により解析が難しくなります。また、ケラチンコンタミには十分ご注意ください。
Q5. 二次元電気泳動のゲル断片の解析は可能でしょうか?
A5. 解析可能です。
Q6. バンドの視認が難しいのですが、解析できますか?
A6. 可能な限りアプライ量を増やす、もしくは濃縮により、ゲル断片あたりのサンプル量を増やしていただくと、解析できる確率が高くなります。同じバンドを複数集めて解析を行なってもサンプル量は確保できますが、酵素消化の効率低下、ゲル由来の夾雑成分などの影響により解析が難しくなります場合がございます。
Q7. サンプルを送付するまで時間が空いてしまうのですが、ゲルはどのように保存すればよいですか?
A7. ゲル保存用のバッグに入れ、冷蔵(4℃)状態であれば保存が可能です。ただし長期間の場合、タンパクの分解が起こる、もしくは何らかの影響が出てくる恐れがございますので、ご注意ください。
Q8. 特殊な生物種や指定のライブラリーを元に解析してもらうことは可能ですか?
A8. 可能です。ご依頼の際に、その旨をお伝えください。
Q9. タンパクの修飾を考慮して解析することは可能でしょうか。
A9. 可能です。事前にどのような修飾があるかをご指示いただければ、データベース検索を行なう際に、ご指定の修飾を考慮して解析いたします。
掲載されている試薬は、試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。 |