吸光度法による生細胞数測定キットのスタンダード
同仁化学研究所 Cell Counting Kit-8
Cell Counting Kit-8は細胞増殖試験、細胞毒性試験、化学物質の感受性試験等において、細胞数を測定するキットです。高感度水溶性ホルマザンを生成する新規テトラゾリウム塩WST-8を発色基質として採用することで、従来のCell Counting Kitより高感度測定が可能になりました。
WST-8は細胞内脱水素酵素により還元され、水溶性のホルマザンを生成します。細胞数と生成するホルマザンの量は直線的な比例関係にあるため、ホルマザンの450nmの吸光度を直接測定することにより、容易に生細胞数を計測することが可能です。
本キットは使いやすさにもこだわった1ボトル溶液タイプです。
【特長】
● 検体への試薬添加→発色反応→吸光度測定の3ステップで生細胞数の測定が可能。
● テトラゾリウム塩およびホルマザンとも高水溶性であるため、MTTアッセイのようなホルマザンの溶解操作が不要。
● 1ボトル溶液タイプであるため、試薬の調製が不要。
● 他の水溶性タイプのテトラゾリウム塩(XTT、MTS)より高感度・低毒性。
● 他の測定キットより試薬が安定(冷蔵、1年間)。
● フェノールレッドを含む培地でも使用できます。
コードNo. |
メーカーコード |
製品名 |
容量 |
希望納入価格(円) |
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CK04 |
![]() |
100 tests |
5,200 |
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500 tests |
13,200 |
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2,500 tests |
36,600 |
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10,000 tests |
101,000 |
*希望納入価格はH28.11時点の価格です。製品コードをクリックするとSiyaku.comにリンクしますので、現在の価格、在庫はそちらからご確認下さい。
原理
Cell Counting Kit-8にはテトラゾリウム塩(WST-8)と電子伝達物質(1-Methoxy PMS)が含まれています。WST-8は高い水溶性を有するため生細胞膜を透過せず、細胞外に存在します。細胞外のWST-8は、乳酸脱水素酵素の補酵素であるNADHから1-Methoxy PMSを介して電子を受け取ることで還元され、水溶性のWST-8ホルマザン(極大吸収波長450 nm)を生成します。
操作方法
簡便な測定手順に加えて、必要な試薬を含む1ボトル溶液タイプのため、Working solutionなどの試薬調製が不要。更に時間を節約することができます。
試薬の保存安定性
Cell Counting Kit-8は、冷蔵保存で1年間安定であるため、試薬の無駄を減らすことができます。
試薬の細胞毒性比較
本実験では、96ウェルプレートにHeLa細胞を播種(5,000 cells/well)して前培養した後、各試薬溶液を添加しました。CO2インキュベーター内で呈色反応を開始し、3, 6, 24時間毎に顕微鏡を用いて細胞の形態を観察したところ、Cell Counting Kit-8は24時間後も殆どの細胞の形態に変化は認められませんでした。薬剤等を用いた細胞毒性試験では測定試薬自身が細胞毒性に与える影響が極めて低い試薬を選択することが望ましいです。
細胞増殖試験および細胞毒性試験の測定例
細胞毒性試験のワンポイントアドバイス -複数の指標で信頼あるデータを-
細胞毒性試験を行う上では常に@生細胞が減少しているのか、A細胞自体の呼吸活性が落ちているのか2つの可能性を考えなければなりません。これらの可能性を調べるためには複数のアッセイを行いデータの裏付けを取ることが重要です。死細胞から放出される乳酸脱水素酵素(LDH)の活性を測定する「Cytotoxicity LDH Assay Kit-WST」と生細胞の呼吸活性を測定する「Cell Counting Kit-8」の両方でアッセイを行えば、裏付けの取れた信頼性の高いデータを取ることが出来ます。
左図のデータは、HeLa細胞におけるMitomycin Cの細胞毒性をCell Counting Kit-8とCytotoxicity LDH Assay Kit-WSTを併用して測定した結果です。グラフからMitomycin Cの添加により生細胞が減少し、死細胞が増加したことが分かります。この2つのアッセイによって「生細胞が減少した」という信頼できるデータが得られました。
試験物質: Mitomycin C
細胞: HeLa細胞
使用培地: MEM, 10% FBS
インキュベート: 37℃, 5% CO2, 48時間
検出波長: Cell Counting Kit-8 (450 nm), Cytotoxicity LDH Assay Kit-WST (490 nm)
関連製品
Cytotoxicity LDH Assay Kit-WST
Cytotoxicity LDH Assay Kit-WSTは、細胞から培地中に放出された乳酸脱水素酵素(LDH)活性を測定することにより細胞毒性・細胞障害を測定するキットです。本キットは細胞培養液はもちろん生細胞存在下でもそのまま測定できるため、測定系を問わずお使いいただけます。また調液後の保存安定性にも優れており、調液の手間と試薬のロスを抑えることができます。大量に使用するユーザーのご要望にお応えして大容量の2000回用もラインアップしております。
Cell Counting Kit-Fは蛍光法により生細胞数を測定するキットです。キットに含まれる蛍光色素Calcein-AMは細胞内エステラーゼによりCalceinに加水分解され、黄緑色の強い蛍光(λex=490 nm, λem=515 nm)を発します。この時の蛍光強度が細胞内エステラーゼ活性に比例することから、生じたCalceinの蛍光を測定することで、生細胞数を測定することができます。本キットは高感度かつ迅速な測定が可能であり、試薬添加後、30〜60分発色させることにより、テトラゾリウム塩を用いた比色法の限界とされている低細胞数域、リンパ球などの浮遊性細胞においても良好な直線が得られます。
Cell Counting Kitは試薬溶液を添加し、一定時間経過後に吸光度測定を行うだけで細胞数を測定することができるキットです。[H3]チミジン取り込み法のように専用の施設が必要なく、また色素に水溶性の化合物を用いていますので、MTTアッセイのように色素抽出の操作は必要ありません。
リンク
・・・2〜10℃保存
・・・-20℃保存
・・・-80℃保存 表示がない場合は室温保存です。
・・・特定毒物
・・・毒物
・・・劇物
・・・化審法 第一種特定化学物質
・・・化審法 第二種特定化学物質
・・・毒薬
・・・劇薬
・・・化学兵器禁止法 第一種指定物質
・・・化学兵器禁止法 第二種指定物質
・・・向精神薬
・・・特定麻薬向精神薬原料
・・・カルタヘナ
掲載されている試薬は、試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。 |